大規模修繕工事
コンサルティング業務の流れ
当社は平成元年の設立以来、30年以上リニューアルに特化した一級建築士事務所として既存の分譲マンションの改修工事コンサルティングを専門に行っております。また、全国で年間100件以上の管理組合様よりお引き合いを頂戴しており、この豊富な業務実績をもとに培った経験やノウハウを活かし皆さまにご満足頂けるサービスをご提供いたします。
phase1
はじめに実績豊富な技術担当者がマンション共用部の劣化状況を的確に診断します。 劣化の原因や種類を見極めることで、大規模修繕工事の設計内容を作成するためのデータ収集を行います。 また、大切な皆様の修繕積立金を考慮し、長期的目線で「今すぐ工事を行うべきか?」についても検討を行って参ります。
①アンケート調査
全住戸を対象にアンケート調査を行い、”バルコニーの劣化状況”や”皆様が日常生活で気になる箇所のご意見やご要望”をお伺い致します。また、アンケートは二項目選択式回答と自由記入欄で構成されており、答えやすい内容となっております。
②現地調査
当社の技術スタッフが共用部全般を目視・打診・触診により調査いたします。また、人的な調査に加えて機械試験も行うことで、より正確な調査を行って参ります。
目視・打診・触診調査(歩行可能で手の届く範囲)
打診棒を用いて歩行可能で手の届く範囲にて、屋上・廊下・階段・エントランス・外構廻りなどの共用部を調査いたします。
バルコニー立入調査
アンケート調査でご協力を賜った住戸のみに立ち入り調査を実施いたします。マンションにもよりますが、住戸数の15~20%程度に対して実施いたします。
機械試験
専用の器具を用いて、タイルや塗膜面などを調査いたします。コンクリート中性化深度試験、外壁塗膜付着強度試験、シーリング材引張強度試験、タイル付着強度試験、アスベスト含有調査試験など様々な種類がございます。
常設ゴンドラによる打診調査
外壁タイル面の不具合については、ゴンドラを使用した打診調査を行う場合もございます。メンテナンス用常設ゴンドラの使用を想定し、打込タイル面の5%程度の打診調査を実施します。
ドローン飛行調査
外壁調査においては、ドローン技術を活用した調査を行うケースもございます。タイル補修の想定数量の精度を高めるためドローン飛行調査を行い、足場が無いと確認出来ない外壁タイル面の状態を確認することも可能です。
③調査診断報告会の開催
各部位の現況に関する状況写真及び所見をまとめ、報告書の作成および報告会の開催を致します。また、劣化の進行度および緊急性の度合を5段階で判定し、簡単に劣化状況をご理解頂けるようご報告いたします。
phase2
調査診断業務で得た、客観的なデータから複数案の工事仕様や範囲をご提案いたします。また、改修設計業務においては”不要不急な工事を避け、長期的な視点で合理的かつ安全に配慮した設計提案を行う”ことも目的の一つであるため、皆様と納得いくまで協議を行い進めて参ります。
①工事基本計画の提案
設計内容に関する検討は、皆様と顔を突き合わせて『どの部位を』『どういった材料や工法を用いて』工事を行うのか協議を行います。また、机上の書面だけでなく、材料サンプルをご提示したり、実際に現地を見てまわりながら解説する等、皆様の理解を深められるような取組みについても提案いたします。
②設計予算書の作成
工事対象項目の数量積算を行い、概算工事金額を算出します。さらに皆様と協議を行いながら、実施できる最適な工事を目指して作成いたします。
③実施設計
最終決定した設計内容に基づき、施工会社へ見積を依頼するために必要となる設計図書の作成をいたします。これにより各社共通項目かつ同一条件での見積徴収が可能となり、コスト比較が容易になります。
- ・見積要項書
- ・見積仕様書
- ・工事仕様書
- ・改修図面
- ・参考内訳明細書
④設計説明会の開催
全居住者様を対象に改修設計内容についての説明会を開催いたします。また、専門的な知識がなくてもご理解頂けるよう、設計内容等について分かりやすくご説明いたします。
phase3
皆様と協議して決まった設計内容を実施する施工会社を選んで参ります。また、皆様をサポートする形で”最適な会社を選定するためのアドバイスや資料作成”および”弊社の実績データを基にした見積金額についての精査”などをいたします。
①見積依頼会社の選定
施工会社の選定方針・方法・基準についてご提案させて頂くと共に皆様と協議を行い、一定の条件を定めて参ります。加えて、施工会社より提出のあった書類の評価や分析を行い、優良な施工会社選定をサポート致します。
②見積依頼・比較
見積依頼対象の会社へ設計図書を基に見積を作成するよう依頼します。また、各社からの質疑に対する回答や提出資料、見積金額、単価等のチェック・分析も行います。これらを経て皆様が金額のみで比較しやすいように比較一覧表を作成し、ヒアリング依頼会社選定のサポートを行います。
- ・設計図書を見積依頼会社へ送付
- ・見積作成における質疑受付・回答
- ・各社見積金額の分析、比較表の作成
③施工会社ヒアリング
施工会社ヒアリングに出席し、施工会社の社内体制や取り組み姿勢および現場代理人の能力を皆様と共に確認いたします。また、皆様の代わりとなって専門的部分の確認や質疑を行うことで、より理解を深めて頂けるようにいたします。
④施工会社内定・総会補助
ヒアリングにて検討頂き、内定した施工会社についての総会議案書・議事録の作成補助や質疑回答の補助をいたします。
phase4
着工前に決定した施工会社の現場代理人や作業員に対して、工事仕様やポイントなどについて説明を行い、居住者様の安全や負担軽減に考慮した計画をたてるよう指示いたします。また、皆様と決めて参りました設計内容通りの工事が行われているかについても設計図書と照らし合わせながらチェックを行って参ります。
①着工前準備
施工会社に対する設計内容の説明や施工計画の検討・指示を始めとした、専門性のある協議を管理組合様の代わりとなって取り組んで参ります。また、着工前に実施される工事説明会への出席を始めとし、工事説明会資料が”設計に沿った内容であるか” ”安全面・負担軽減への対応が含まれているか”等についても確認いたします。
- ・工事請負契約書の確認
- ・施工計画の検討・指示
- ・工事説明会の資料確認・出席
②現場監理・定例会議
工事が着工すると週1回の重点監理を行います。各工程で段階的に検査を行い、厳しく品質チェックが行えるような体制を整えております。
- ・サンプリングによる施工状況の確認
- ・各種検査の実施
- ・定例会議にて管理組合様へ進捗状況を報告
③竣工検査・引渡し
工事工程が完了しますと、管理組合様による竣工検査への立会いや、施工会社から提出される引渡し書類に不備が無いか確認を行い、工事後に問題が発生しないよう最後まで徹底した検査を行います。
- ・管理組合竣工引き渡し検査の立会い・指示
- ・竣工引渡図書の確認
- ・工事監理業務報告書のまとめ及び提出
④アフターサービス対応
引渡し後も、各保証年数に応じたアフター点検を施工会社が適切に実施しているかどうか確認してまいります。このような引渡し後においても末永く皆様に安心頂ける体制が弊社にはございます。
addition
マンションの維持保全と計画的修繕のためには「長期修繕計画」は欠かせません。リノシスでは、大規模修繕工事の実施に合わせて長期修繕計画の作成または見直しを行うことをお勧めしております。
①準備調査
始めに「補修履歴の確認」を行います。これは過去、大規模修繕工事の他に給排水設備や電気設備といった設備面でどういった補修が行われたかについて確認を行います。次に「現地の再確認」として、大規模修繕工事の始めに行った建物診断業務とは別に大規模修繕工事範囲外の部位の確認を行います。
- ・修繕履歴の確認
- ・建物・設備の劣化状況確認
②工事概算費用の算出
「建築・設備の今後予想される工事にかかる費用の算出」や「機械式設備のメンテナンス会社よりメンテナンス状況の確認と不具合箇所のヒアリングを行って設備費用の精査」を行います。
③長期修繕計画の作成・見直し
これまでの調査結果及び算出結果から実際に「修繕工事項目及び仕様の検討」や「工事時期及び周期の検討」を行い、国土交通省の仕様に準じた書式にて今後30年間の計画を作成します。